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酒の旨さをデザインする『ひやおろし』
酷暑につづいて台風襲来、ですが秋の薫りは着々と。そろそろ日本酒がいちばん美味しい季節です。今年しぼられた新酒も飲みごろ、まろやかに熟成します。静かに機を待った旨みたっぷりの味わい、蔵出し風味が活きる生詰めで出荷される酒を『ひやおろし』と言われます。日本酒ファンにとっては、きびしい夏を凌ぎ涼風が秋の気配を運んでくるころの一番の愉しみです。
春先にしぼられた新酒は、一度、火入れされたあと、どんなに暑い夏もひんやりとした蔵で眠ってすごし熟成を深めます。やがて秋風が吹き始めたら、いよいよ目覚めのときというわけです。ほどよく熟成された酒は、2度目の火入れをせずに、生詰めして出荷されます。その昔『冷や』のまま貯蔵用の大桶から木樽に『移(おろ)して』樽詰めしたことから、このお酒は『冷移(ひやおろし)』と呼ばれ、秋の酒として珍重されるようになったそうです。
この『ひやおろし』の時期が過ぎると、やがて今年の収穫と仕込みが始まります。今年の稔りをさらに旨い酒にデザインする、杜氏の腕の振るいどころです。
投稿者artistable:01:16
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